こんにちは、akaruです。
作家の命日で「文学忌」というものがありますね。
2月17日は坂口安吾の命日である「安吾忌」です。
本記事では坂口安吾の『桜の森の満開の下』のあらすじをご紹介します。
私は森見登美彦さんの『新釈走れメロス』に収録されているお話を読んで、いつかオリジナルを読んでみたいと思っていました。
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『桜の森の満開の下』作品概要
『桜の森の満開の下』あらすじ
鈴鹿峠に一人の山賊が住みついた。
ずいぶんむごたらしい男で、街道に出て情け容赦なく旅人の着物を剥ぎ、連れの女は気に入れば自分の女房にしていた。
その男も、桜の森は恐ろしいと思っていた。
ある日も、山賊は旅人の身ぐるみをはいで殺し、連れの女を女房として連れ帰った。
とても美しい女だったが、山賊を恐れもせずにあれこれ指図する。
山賊に、もともといた女房たちを殺させる(足の不自由な女房だけは、女中として残す)。
山賊に、自分を都に連れていけと言う。
都に移った山賊に、夜ごとに邸宅へ忍びこませ、着物や宝石や装身具を持ってこさせた。
何よりもその女が欲しがったのは、その家に住む人の生首だった。
女は集めた生首で首遊びをし、どんどん首を要求する。
山賊は都に馴染めず、女のキリのない欲求にも嫌気がさし、山へ帰ることを決める。女も了承する。
山賊は女を背負って山に戻る。
桜の森は満開だった。
桜の下を通っていると、背負っている女が鬼であることに気づいた。
山賊は全身の力をこめて鬼の首を絞め、鬼は息絶える。
山賊が我に返ると、目の前には女の屍体があった。
男は泣きながら女を呼んだ。
山賊が女の顔の上の花びらをとってやろうと手を伸ばすと、女の姿は消えて花びらだけが残っていた。
そしてその花びらを掻き分けようとした山賊の手も身体も消え、あとには花びらと冷たい虚空がはりつめているばかりだった。
『桜の森の満開の下』感想
「桜」と聞いて何を連想しますか?
私は春やお花見など、なんとなく明るい、あたたかなイメージが浮かびます。
『桜の森の満開の下』も、タイトルだけを見て明るいお話なのかなと勝手に思っていました。
しかし冒頭の方にあるように、満開の桜の下に人間が誰もいなかったら。確かにうすら寒い感じを覚えますね。
内容も全体的に落ち着かない気分にさせられ、一部は本当に狂気を感じさせられます。
幻想的な作風とあとに残される余韻が私は好みでした。
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