【あらすじと感想】『黒衣の女 ある亡霊の物語』スーザン・ヒル

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こんにちは、akaruです。

今回はスーザン・ヒルの『黒衣の女』をご紹介します。

作品概要

  • 1983年に発行
  • 回想形式で語られる幽霊譚で、正統派のゴシックホラー
  • 2012年にダニエル・ラドクリフ主演で映画化された

登場人物

  • アーサー・キップス…弁護士。
  • アリス・ドラブロウ…≪うなぎ沼の館≫の主だった老婦人。
  • ジェローム氏…ドラブロウ夫人の財産や不動産を管理していた代理人。
  • スパイダー…サミュエル・デイリー氏の飼っているテリア犬。アーサーに貸し出され、一緒に館へ行く。

あらすじ

アーサー・キップスは上司のベントレー氏から、亡くなったドラブロウ夫人の遺産整理の仕事を依頼されます。

アーサーはロンドンを離れ、小さな市場町クライシン・ギフォードへ行きます。

町の人たちは暖かく迎えてくれますが、ドラブロウ夫人とその館について明らかに話したがらない様子をするので、アーサーは苛立ちを覚えました。

ドラブロウ夫人の葬儀中、アーサーは黒い喪服を着た女性を見かけます。

しかし、一緒に葬儀に参列したジェローム氏は、かたくなにそんな女性は見ていないと否定するのでした。

ドラブロウ夫人の≪うなぎ沼の館≫に到着したアーサーは、その景色の優美さに魅了されます。

本来ならば朝に館に来て仕事をし、夕方には宿に帰るという予定だったものを、館に泊まりこんで作業をするよう変更します。

しかし、日が暮れた後で一人残ったアーサーを待っていたのは、想像もしていなかった恐怖体験だったのでした。

感想

読み終わって、呻き声が出そうになりました。

幽霊譚ですが、ものすごく怖いかというとそうでもありません。じわじわ忍び寄る系の怖さですが、怖いのが苦手な私でも最後まで飛ばさずに読めるレベルです。

ストーリーは王道だし、盛り上がるシーンはあるものの、起伏は少ないです。

昨今のホラー小説やホラー映画のようなものを期待して読むと物足りなさを覚える人もいるかもしれません。

しかし、全く怖くなかったかというと違います。

沼のシーンは本当にハラハラしました。スパイダー…まさかここで…?

最終章は、本当に映像を見ているかのようにイメージできました。

結末は、冒頭を考えるとほとんどの人が予想できるでしょう。けれど、結末で起きるものそれ自体が恐怖なので、私は十分怖いと思いました。

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