【あらすじと感想】百鬼夜行シリーズ第1弾『姑獲鳥の夏』京極夏彦

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こんにちは、akaruです。

百鬼夜行シリーズといえば、昨年2023年9月に最新作となる『鵼の碑』の発売が話題になったのが記憶に新しいですね。

本記事ではシリーズ第1作である『姑獲鳥の夏』のあらすじをご紹介します。

漫画化もされています。

『姑獲鳥の夏』をおすすめできるのはこんな人
  • 厚めの本が好き
  • 蘊蓄が好き
  • ちょっと不気味な話が好き
  • シリーズものが好き

『姑獲鳥の夏』作品概要

  • 著者:京極夏彦
  • 発行:1994年
  • ジャンル:ミステリー
  • シリーズ:「百鬼夜行」シリーズ第1作
  • 受賞など:メフィスト賞創設のきっかけとなった、京極夏彦のデビュー作

※「百鬼夜行シリーズ」についてはこちらもご覧ください。

『姑獲鳥の夏』登場人物

メインキャラクター

  • 関口巽…小説家。鬱病を患う。
  • 中禅寺秋彦(京極堂)…関口の学生時代からの友人。本業は古本屋、家業は神主、副業は拝み屋をしている。
  • 榎木津礼二郎…関口と京極堂の学生時代の先輩。探偵。他人の記憶が見える。
  • 木場修太郎…警視庁の刑事。関口たちの知人。
  • 中禅寺敦子…京極堂の妹。「稀譚舎」の編集者。

久遠寺医院

  • 久遠寺涼子…依頼人。久遠寺家の長女。
  • 久遠寺梗子…涼子の妹。
  • 久遠寺牧朗…久遠寺家の婿養子。旧姓は藤野。関口と京極堂の学生時代の先輩。
  • 久遠寺嘉親…院長。涼子と梗子の父親。
  • 久遠寺菊乃…事務長。涼子と梗子の母親。
  • 内藤赳雄…住み込みの医師見習い。

刑事

  • 青木文蔵…木場の部下。

『姑獲鳥の夏』作中の時期

昭和27年(1952年)7月

『姑獲鳥の夏』あらすじ

小説家の関口巽は、雑司ヶ谷にある久遠寺医院にまつわる奇怪な噂を耳にする。

それは、妊婦が二十箇月もの間身籠っており、なおかつその亭主は密室から煙のように消えてしまったというものだった。

博識な友人に解説してもらおうと京極堂のもとを訪れるが、消えた亭主というのが学生時代の先輩だと判明する。

京極堂は関口に、共通の知人で探偵業を営む榎木津礼二郎を訪れるよう勧める。

探偵と依頼人

翌日、関口は榎木津の事務所を訪れる。

奇しくも同日、久遠寺医院の娘である久遠寺涼子が依頼人として現れる。

関口は探偵助手をやらされることになり、榎木津の代わりに涼子の話を聞く。

関口が涼子と久遠寺医院に訪れる約束をしているところに榎木津が現れ、涼子に奇妙な質問をする。

さらに、涼子と関口が知り合いではないかと口にする。

久遠寺医院

関口、榎木津、そして京極堂の妹の敦子は久遠寺医院を訪れる。

京極堂は「日記と恋文を捜せ」と敦子を通して関口に伝える。

果たして、消えた牧朗の研究室で日記は見つかった。しかし恋文は見当たらない。

梗子のいる書庫に入るに当たり、涼子は3人全員ではなく誰か一人にして欲しいと言う。

榎木津が名乗りを上げて部屋に入るが、間もなくして慌てて出てくる。

榎木津の失礼な物言いに憤慨した関口は、自分が事件を解決すると意気込む。

刑事

関口が京極堂へ報告しているところに、刑事の木場が現れる。

木場は久遠寺医院での赤児失踪事件に目を付けていた。

木場は捜査の過程で、久遠寺家が出身地では憑き物筋と言われているという話を手にする。

関口は、木場とともに赤児失踪事件の関係者に聞き込みに行くことにする。

陰陽師

関口と木場は、久遠寺医院の元使用人や赤児失踪事件を最初に訴えた左官の家を訪れる。

木場は明日にでも礼状を取って久遠寺を捜査するつもりだったが、関口は木場に1日だけ猶予をもらう。

関口が久遠寺医院に向かうと、カストリ雑誌を読んだ人によって石を投げこまれた直後だった。

関口は久遠寺家の呪いを解いてもらうため、京極堂のもとへ向かう。

『姑獲鳥の夏』感想

私がこの作品を初めて手に取ったのは、高校入学してすぐの頃でした。

なんかよくわからんけどすごい。

というのが、最初に読んだ時の正直な感想かもしれません。

本の厚さ、蘊蓄の多さ、そしてトリックの是非で好みは分かれるかもしれませんが、私は初めて読んだ時から大好きになりました。

厚さ

「読む鈍器」などの異名を持つ「百鬼夜行」シリーズ。

『姑獲鳥の夏』は以降の作品ほどではありませんが、文庫本コーナーにあると異様な感じは受けますよね。

しかし、「読み切れるかなー」という不安はよそに、語り口は軽快で読みやすいです。

蘊蓄

厚みとともに名物なのが、京極堂こと中禅寺秋彦の蘊蓄。

冗長だという印象を受ける人もいるかもしれませんが、ただの知識のひけらかし(←言い方)ではなくちゃんと伏線になっているので侮れません。

知らない知識を得られるので、個人的には素直に好きです。

推理小説…?

『姑獲鳥の夏』のポイントとなるのは、「現実と仮想現実の区別は本人には絶対につけられない」というものです。

序盤の京極堂の蘊蓄で出てきます。

ちなみに、「自分が生まれたのはついさっきで、記憶は持ったまま生まれた」のくだりはみんな子供の頃一度は想像したことがあると思うのですがどうなんでしょう?

当たり前だと信じていることを、敢えて疑う人は少ないはずです。

今見ている世界が現実なのか、それとも、無意識に望んだ仮想現実なのか。

誰もが何かしらの形で憑き物に憑かれているのでしょう。

トリックとして成り立つのか?再現性はあるのか?という点では「否」となるかもしれません。

しかし、蘊蓄効果もあり「そういうこともあるかもしれない」と思ってしまいます。

『姑獲鳥の夏』の次の作品

『姑獲鳥の夏』の次の作品は『魍魎の匣』です。

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